学習時間と成績向上

勉強というのは、努力を始めたからといって、すぐに結果が出るわけではありません。家庭教師をつけたとしても、それは一緒です。どんなに早くても3ヶ月ぐらいはかかりますし、上がり始めるまで、ぜんぜん成績が伸びる兆候が出ない時もあります。

 

成績と学習時間

 

これは、社会人で資格取得や語学の勉強をしている人であれば、一度は耳にしたことがある話だと思いますが、学力アップ(スキルアップ)というのは、バケツに水を注ぐ作業によく喩えられます。

 

バケツが水でいっぱいになり、あふれ出した時が成績アップの瞬間と考えてください。

 

空の状態から水を入れるとなると、あふれるまでに時間がかかりますよね。そして、それを遠くから見ているとすると、バケツに今、どれだけの水が入っているのかというのは分かりません。あふれ出て、初めていっぱいになったんだと理解出来ます。

 

勉強もこれと一緒です。溢れ出るまでは、どれだけ能力が上がっているのか分かりません。でも、分からないからといって学力がついていないということではなく、しっかりと見えないところで実力は上がっています。

 

このプロセスはどんな人でも一緒です。優秀な人でも頭が悪い人でも一緒です。水が溢れ出るまでの時間差はありますが、それはあくまでも『差』。 多少、時間がかかっても必ず溢れます。

 

この事実を知っている人は、成績が上がるといった目に見えない成果が出なくても落ちついていられますが、知らない人は『この勉強法でいいの?』、『このままでいいの?』、『間違っていることをしているのでは?』と余計なことを考えて、アタフタしてしまい、かえって遠回りをしてしまいます。

 

それだけならまだしも、『自分は頭が悪いから無理なんだ』と自信を失って諦めてしまうこともあります。

 

そのため、このバケツのたとえ話というのは、予備校や語学学校に行くと、一度は聞かされることになります。それぐらい重要な事実です。

 

家庭教師

 

私自身の経験としても、これは実感します。どんなことでも、ある程度の結果が出るまでには時間がかかります。

 

子供に、このまま勉強していけば大丈夫と安心させてあげること

親であるあなたがすべきことは、子供にこのプロセスを教えてあげて、『このままで大丈夫』と安心させてあげることです。真面目に勉強している限り、まず大丈夫です。時間の問題で上達します。

 

成績の悪い子というのは、自分に対して自信がない子が多いので、挫折しがちです。そこをフォローしてあげるのは親の役目です。

 

今は、家庭教師も、こういった事実を認識しているので、心理面から子供を安心させるためのフォローをしてくれますが、親が同じことをしたほうが遙かに効果があります。

 

子供もバカではないので、家庭教師もそんなにダメ出しをしたり、厳しいことを言わないことは知っています。優しく勇気づけてもらったとしても、『ホントはダメでも言わない』と思っているものです。

 

でも、親から大丈夫と言われて褒められたら、そこから感じるものは違います。特に、あなたが日頃から勉強のことで褒めることをしていなかったとしたら、効果てきめんです。

 

『このまま、家庭教師の先生に見てもらって頑張ればいいんだ』と安心します。これがとても重要です。

 

繰り返しになりますが、勉強を続けていけば、必ず成績は上がります。焦らないことです。長い目で見ることが大切です。

 

受験間際に家庭教師を依頼しても間に合わない

『でも、ウチは受験を控えて慌てて家庭教師をお願いしたんです。なんとか1ヶ月で成績が上がらないと困るのですが・・・』

 

もし、あなたがこういった状況にあるとしたら、私の回答は『手遅れです』ということになります。どんな優秀な講師に見てもらったとしても1ヶ月やそこらで結果が出るものではありません。

 

元々、成績優秀で勉強が得意な子が、さらに実力を伸ばすという意味合いであれば、1ヶ月でもレベルアップが見込めますが、成績が悪い子の場合、勉強すること自体に慣れていなので、そこを変えるだけでも1ヶ月ぐらいかかってしまいます。

 

正直、受験直前に対策を取り始めるというのは遅いです。出来ることとしたら、とりあえず1ヶ月頑張ってみることです。成績アップは難しいかもしれませんが、可能性としてゼロではありません。もしかしたら、奇跡的に伸びる可能性もあります。

 

何もしないよりはマシですので、少ない確率に賭けて勝負してみることです。

 

ただし、これは火事場泥棒的です。成績アップの試みは年単位で行うものと考えてください。受験対策を兼ねて学力向上に取り組むのであれば、出来れば中学・高校直後から取り組むのが理想です。

 

部活で忙しいという場合には、1日30分ぐらいだけは勉強して、週1日家庭教師の先生に見てもらうといった形で十分です。

 

これさえも難しいということであれば、部活が終わる中3・高3の夏には絶対に取りかかりましょう。この場合、受験までは半年ちょっとなので、スパン的にはかなり厳しいです。

 

恐らく、週1ペースでも少ないので、週2ぐらいは家庭教師に見てもらうほうがいいです。もちろん、それ以外の日も、学校から帰ってきてから2~3時間は勉強に取り組むといった覚悟が必要です。

 

これでギリギリのタイミングだと考えてください。成績は簡単に上がるものではありません。予備校・塾でも一緒ですが、家庭教師を依頼したからといって、すぐに学力が伸びることはないということを認識しておいてください。