個人契約の家庭教師

家庭教師を利用する場合、大手企業と契約して、そこから派遣してもらう紹介型と、家庭教師本人と直接契約する個人契約型に分かれます。

 

個人契約の家庭教師

 

私はそれぞれの形態でバイトをしたことがありますが、個人的な意見としては大手企業と契約するタイプのほうがいいと思います。

 

中間マージンが発生するので割高にはなりますが、教師の質、信頼性という点で上です。私が自分の子供に対して家庭教師をお願いするのであれば、やはり紹介型を利用します。

 

個人契約の家庭教師は当たり外れが多い

その一番の理由ですが、個人契約の家庭教師は全てが本人の裁量に任されているので、当たり外れが多いからです。

 

大手だと、教え方がノウハウとして確立されており、講師もトレーニングを受けています。なかには中学受験コース、面接コース、●●校対策コースといった目的を特化したカリキュラムが用意されているところもあります。

 

そのため、講師のレベルが一定水準で保たれています。もちろん、そのなかでも経験、スキルにはバラツキがありますし、何よりも子供との相性があるので、大手に頼めば、それだけで安心というわけではありません。

 

しかしながら、講師の交代も含めて、一定レベルにあるというのは利用する側からすれば安心です。

 

一方、個人契約の場合、そのあたりのフォローは全くありません。仲介業者を利用するとしても、あくまでも仲介。要はマッチングするだけなので、講師の質を担保しているわけではありません。

 

なかには経験豊富な優秀な人と当たることもあるので、そういった時にはラッキーですが、そんなケースは滅多にないと思います。

 

本人の実力と講師としての適正は別

私は過去、家庭教師として教える仕事をしていたからこそ分かるのですが、『教える』というのは、それ自体が特殊スキルです。

 

学力があれば誰にでも出来るというものではありません。東大生だろうと、京大生だろうと教えるのが下手な人間は幾らでもいます。

 

普通の人は、つい学歴で判断しがちです。それは学力さえあれば、頭が良ければそれだけで子供を教えることが出来ると考えてしまうからですが、これは大きな誤りです。

 

スポーツの世界で名プレイヤーだからといって名監督になれるとは限らないと、よく言われますが、それと全く一緒です。

 

何よりも教師に重要なことは人間性です。勉強が分からない子供の気持ちになって、一緒に頑張っていくといった姿勢で取り組まなければダメです。

 

ベタな話ですが、子供に対する愛情がなければ家庭教師は務まりません。

 

でも、これって教える側の人間でさえ気付かないことなので、こういった心構えも含めて、教え方も教えてもらわなければ良い先生にはなりません。

 

だからこそ、教育学部というものが存在して、学校の先生になるには教員免許を取得しなければいけないわけです。誰でもなれるのであれば、こういった制度は必要ないですよね。

 

こういった背景から、大手の場合、派遣する前に教師に対する研修を行っていますが、個人契約の場合、それがありません。これって非常に怖いことです。

 

カリキュラムなしに教えるのは大変

さらに、個人契約の場合、どうやって勉強を進めていくのかというのも、家庭教師本人が決めることになります。誰も教えてくれる人がいないので、講師が自分で決めなければいけません。

 

教えるスキルが不十分な人間だったら、どんなふうに勉強すれば子供の学力を伸ばしていけばいいのか分析出来ないでしょう。

 

結局は、自分がこれまでにしてきた経験から判断することになりますが、それって教師本人にとっては最良の勉強法かもしれませんが、子供にとってもそうとは限りません。個人差があるからです。

 

なまじ、一流大学に合格したような人間だと、我流の要素が大きいので、子供には無理だったりします。それを良い勉強法だと思い、押しつけたりされたら・・・

 

どうにもなりません。

 

大手であれば、こんな子供には、こんなふうにしてという一定の指針があります。そこは多数の子供を教えてきている経験があるので、そこから編み出された学習法というのは、とても安心です。

 

もちろん、最終的には、子供に合わせて一人一人、やりかたを工夫していかなければならず、そこは家庭教師の力量次第なので、やっぱり大手を通しても当たり外れはあります。

 

ただ、より確実なほうがどちらかといえば大手ということで、個人契約はやめておいたほうがいいという判断です。

 

何よりも、今は大手でも料金を下げてきているので、個人契約と大差がつかなくなってきました。むしろ、経験豊かな家庭教師を個人契約で雇おうとすると、時給が跳ねあがるので、かえって高くつくことすらあります。

 

それを考えると、わざわざリスクを冒してまでという判断になります。

 

あくまでも私だったら、こう考えるという意見の一つです。最終的には先生と子供の相性にもなってくるので、試してみるしかないのですが、こんな考え方があるということで家庭教師を選ぶ時の参考にして頂ければと思います。