受験勉強

高校受験

私が家庭教師をしていた時、勉強を始めたのが最も遅かった生徒は中3の12月でした。

 

残り僅か3ヶ月です。それまで勉強をしていなかったのですから、当然成績も最下位クラス。

 

いよいよ困って依頼が来たというわけですが、ここまで短期間だと、まともなやりかたをしていては時間がありません。そこでかなり思いきった受験対策を行いました。

 

受験勉強

 

まず、その子の学力をチェックして、社会と国語が比較的良い状況だったので、この2教科だけを徹底的に勉強することにしました。仮に、この2つの教科で75点ずつ取れれば合計150点。

 

その子が狙っている高校の合格ラインは250点だったので、残り3教科で33点ずつ取ればクリアです。これぐらいの点数であれば、ちょっと勉強すれば何とかなるので、点数を稼ぎにいく教科と、最低限の点数だけ取る教科に分けました。

 

その子の志望校で足きりがなかったので、こんなやりかたが出来ました。高校入試の場合、よほどレベルの高い高校でないと足きり点は設定されていないと思うのですが、足きりが存在する場合には、また違う対策が必要なので注意してください。

 

教科書をみながら過去問を解く

勉強法自体はいたってシンプルです。教科書を参考書代わりにしながら、過去問を解きました。その子の志望校は栃木県の公立校だったので、まずは栃木県の過去問を解きましたが、それだけだと足りないので、他県の問題集も解きました。

 

今はどうか分からないのですが、当時の栃木県の学力は全国ワースト2位。当然、入試問題のレベルも低めなので、東京や神奈川といった教育優秀県の過去問を利用してもついていけません。

 

学力ランキング表を入手して、順位が下のほうの都道府県の問題を解くようにしました。

 

そして、ここでも思いきった割り切りをしました。

 

社会と国語は目標点数75点、数学、理科、英語は33点なので、全てを万遍なくやる必要はありません。そのため、数学、理科、英語については、試験の最初に出る基礎的な問題だけ解くようにしました。

 

数学だったら計算問題、英語だったら簡単な英単語&熟語の埋め合わせだけを徹底的に勉強します。理科については、その子が比較的得意な生物だけに集中。化学や物理はダメだったので、最初から諦めました。

 

社会については、特に分野ごとでの得意・不得意はなかったので全体的に勉強、国語については、現代文は出来る子だったので、ここは省いて苦手な漢文・古文に集中的に取り組みました。

 

目標点数と照らし合わせながら、その子が点を取れそうな部分をピックアップして勉強するというやりかたです。

 

高校受験だと、点数の配分が決まっているので、その子が最も効率良く点数を稼げるやりかたを考えて実行しました。

 

家庭教師の指導

 

勉強するところを指示出来る人に教えてもらう

その結果ですが、正直にいえば、その子は志望校にはいけませんでした。受験直前になっても、受かる見込みがなかったので、1ランク落とした高校を受験しました。

 

その高校には合格出来ました。第一希望とは違いましたが、それでも親御さんや本人にとっては上出来ということで喜んでもらえました。

 

今振り返ってみても、勉強する内容を吟味したことが大きかったと思います。普通に5教科をまんべんなく勉強していたら、間違いなくダメでした。ある意味、作戦勝ちと言えます。

 

もし、同じような状況にある生徒がいれば、やっぱり同じやりかたをお薦めします。正直、これしか突破口はないと思います。

 

そして、このやりかたを実践するのであれば、どこを勉強すればいいのかということを指示してもらえる家庭教師に教わることです。ちなみに、この状況で塾を利用するのは厳しいです。

 

決められたカリキュラムに沿って学ぶのが塾なので、ここまで思いきった勉強は出来ません。せいぜいが教科ごとに重要度を順位付けするぐらいです。

 

一定レベルの基礎力がないと、塾の授業についていくのは難しいので、挫折する可能性も高く、家庭教師にマンツーマンで徹底的にフォローしてもらったほうがいいです。

 

通常、家庭教師は週1回ですが、最低でも週3回ぐらいは来てもらいたいところです。それぐらいのペースで教えてもらわないと受験に合格するのは厳しいでしょう。

 

そして、最初に現状の成績と志望校をしっかりと伝え、どんなふうに勉強すればいいのか、プランを立ててもらってください。

 

この段階においては、教え方が上手かどうかというのは、たいして重要ではありません。丁寧に教えてもらっている時間などないからです。どうすれば合格出来るのか、その道筋を立てられる人に教えてもらうようにしてください。

 

直前対策