私は全く勉強をしない子供でした。まともに始めたのは中学3年の夏、部活が終わってからです。それまでは、中間・期末テストの前に一夜漬け感覚でやる程度、あとは部活をするか、遊び回っているかという生活をしていました。
小学校の時の学習経験はほぼゼロです。親が『したくなければ、わざわざやらなくていい』というタイプの人間だったので、せいぜいが夏休みの宿題をやる程度。それも先生に叱られなければいいというぐらいの適当なものです(;^_^
でも今思えば、これが良かったのかもしれません。親に急かされることがなかったので、結果的に自発的に取り組むようになりました。高校受験のためにやらなければと思ったのも自分の考えです。
親には一言も勉強しろとは言われていません。
それだけに、一度その気になったら、粘り強く取り組むことが出来ました。毎日、学校から帰ってきたら机に直行、すぐに受験勉強に取りかかりました。
大好きなテレビ番組を観たり、ゲームで遊んだりもしましたが、これも学習時間との兼ね合いを考えて、自分でコントロールしていました。平日は最低3時間、受験対策に取り組むことを自分に義務づけていたことを覚えています。
休日も学習する時間と遊ぶ時間を自分で決めていました。
一言でいえば計画性がある子供になったということですが、これは中学2年の時以来、ずっと続いています。高校に通っているときの大学受験対策も自分で計画を立てて実行しましたし、大学入学後も、自主的に英語を勉強することを決めて独学でマスター。
それがきっかけで、アメリカの大学院に留学しましたが、そのための準備(お金を貯めたり、専攻分野に関する知識を見つけるための予習など)も全て自分で計画して実行しました。
社会人になってからも、自分で計画を立てて実行するという習性は変わらず、今では独立して、自分で事業を経営しています。
周りからは、『よくそれだけ自分で自分をコントロール出来るな』と驚かれるのですが、その原点は中学時代の高校受験対策にあったと思っています。
子供に任せれば、勝手に勉強するようになる
ちょっと話がそれましたが、私が言いたいことは本人の自主性を信じて任せていれば大丈夫ということです。
子供だって、自分がやらなければいけないことが何なのか、十分に理解しています。それを親からガミガミ言われるから嫌になるわけです。大人だって、周りからああだこうだ言われたら、やる気が失せますよね。それと一緒です。
逆に親から何も言われなければ、『こんなに遊んでいていいのかな。勉強しないとダメかな?』と自分で考えるようになります。
時には親にも相談に来るかもしれないので、その時にアドバイスしてあげれば十分です。親の役割としては、それぐらいでいいのではと思います。
本人が学習意欲を持つまでは、好き勝手にさせておくのが一番ですし、もし勉強以外のことで興味を持ったことがあれば、それに集中させてあげることです。それはサッカーでもダンスでもピアノでも読書でも何でもいいと思います。
何か一つのことに集中して取り組んだ経験を持った人間というのは、ほかのことに対しても努力することが出来ます。納得するまで何かに取り組んでいれば、勉強しなければいけない時には、自然にその気になります。
そして、その時には強い集中力を発揮して、学習に取り組むことが出来ます。子供はバカではありません。信じてあげることが一番です。
親が勉強すれば、子供もその気になる
もし、あなたが親として、どうしても子供に勉強に取り組ませたいと考えているのであれば、やるべきことは、自分自身が勉強に取り組むことです。
資格を取得するための学習でもいいですし、仕事につながるスキルを磨くといったことでも構いません。努力して自分を高める姿を子供に見せることです。親が頑張っていれば、子供は自分もやらなければと思うものです。
また、その姿が楽しそうであれば、自分もやりたくなるものです。これが、親が子供に対して、唯一出来ることなのではと思います。
ちなみに、子供は小さい時ほど親の姿に影響を受けるので、確信犯的にやるのであれば小さなうちです。
たとえば、幼稚園ぐらいの時に、読書に夢中になっている姿を見せれば、その子も本に興味を示すようになります。読書好きになれば、知識を得ることの楽しさを実感出来るので、そういった子は勉強にもスムーズに入っていけるものです。
そういえば、私事ですが、私も小学3年生ぐらいの時に本を読むことのおもしろさに目覚め、学校の図書館にある本を片っ端から読みあさりました。そのせいか、国語だけは勉強しなくてもいつもトップクラス、高校の時に受けた模試でも、偏差値が70を超えていました。
国語だけであれば東大にも入れたと思います。ほかがサッパリだったので、夢のまた夢でしたが・・・
話がそれましたが、子供が勉強する気になるのを待つ。それまではガミガミ言わない。これが親としての正しい姿勢なのではと感じます。